愛媛県
八幡浜市

先輩ワーカー対談。仕事はきつい?いくら稼げるの?農業バイトのリアルな暮らしを聞いてみた【愛媛・八幡浜みかん編】

シーズンワーク

住み込み&中長期の勤務が多い農業バイト。興味はあってもいきなり応募するのはなかなか勇気がいりますよね。そんな方に向けて、今回は先輩ワーカーの対談を実施! 累計14軒以上の農家さんで働いてきたお二人に、農業バイト中の生活と秋冬の代表的な勤務地・愛媛県八幡浜のみかんバイトの内情を聞いてみました。

  

プロフィール

●ことみさん(23歳)

山口県出身/農業バイト歴:1年/これまで行ったエリア:9ヶ所

●こうさん(30歳)

東京都出身/農業バイト歴:6年/これまで行ったエリア:5ヶ所


農業バイトを始めたきっかけ

アグリナジカン:改めて今日はよろしくお願いします。

ことみ・こう:お願いします〜!

アグリナジカン:それでははじめに二人が農業バイトを始めたきっかけを教えてください。

ことみ:私は大学卒業してすぐ始めました。最初はそのまま海外に出ようと思ってたんですけど、その前に日本のいろんなところを知ってからと思って。そこから住み込みで働ける農業バイトの存在を知りました。全国移動しながら働いて1年ちょっとになります。

こう:僕は24歳のとき、ワーホリ先のオーストラリアでしたイチゴ収穫のバイトが最初です。始めは2年目のビザをもらうために働いてたんですけど、だんだん仕事がおもしろくなってきて、予定より早めに帰国してまたすぐに農業バイトに行きました。そこから6年くらい続けています。

オーストラリアにて。ジャンプ!

アグリナジカン:そうなんですね。最初のバイト先はどうやって見つけたんですか?

ことみ:私は知り合いからじょうたさん(アグリナジカン代表)を紹介してもらったので、アグリナジカン経由です。1年間どう動くか、年間プランを立ててもらいながら全国まわってます。

愛犬のソイと一緒にまわることも

こう:僕はあんまりないパターンかもしれないんですけど、Twitterからでした。日本に帰る前から旅人界隈では「秋冬の農業バイトといえば愛媛みかん」という話はよく聞いてたんですよね。愛媛のバイトを探してるところにちょうどTwitterで八幡浜のみかんバイトの募集がまわってきたんです。

ことみ:こうさんって初仕事が八幡浜だったんですね!

こう:そうなんですよ。行ってみたら八幡浜での生活が楽しくて、そこから4年連続でリピートしてました。


八幡浜みかんバイト。リピートの理由

アグリナジカン:ことみさんも去年に続き、今年も八幡浜で働かれていると聞きました!

ことみ:そうですね。去年と同じ農家さんにお世話になってます。八幡浜でのバイトは毎年11〜12月で寒い時期なんですけど気温も高めだし、仕事内容も想像していたよりも楽でした。

こう:暖かいよね。朝晩は寒いときもあるけど日当たりがいいから僕はTシャツでやってるときもありました。あとは待遇がいい。収入だけ見ると普通なんだけど、それ以外の補助がとにかく多い。農家さんにもよるけど、基本「家賃無料&食事3食支給」だから自分から出ていくお金がとにかく少ない。

アグリナジカン:ここまで補助が手厚いエリアはなかなかないですよね。

ことみ:あととにかく海がきれい! 夜は星も見えて景色が最高です。この時期はほかに選択肢が少ないっていうのもあるんですけど、初めて農業バイトに行くなら八幡浜はかなりいいんじゃないかなーと思います。


男女で異なる八幡浜の仕事

アグリナジカン:八幡浜なんだかよさそうですね! お二人の仕事内容についてもう少し教えてください。

ことみ:私はみかんの収穫です。とにかくパチパチ実を摘んで、コンテナに詰めて……をひたすら繰り返します。体力は使わないしノルマとかも基本ありません。私の農家さんは自由なので、喋ったり音楽を聴きながら収穫できて楽しいです。ただとにかく単調作業なので、人によってはちょっと修行感(?)もあるかもしれません。

アグリナジカン:話しながら作業できると時間が流れるのも早そうですね。こうさんはどうですか? 八幡浜は男女で仕事が違うとも聞いたのですが。

こう:そうなんですよ。男子は力仕事担当でその分給与も少し高めです。毎日、みかんの入ったコンテナを畑からトラックまで運びます。コンテナは一個20キロくらいあるので力仕事ではありますが、バイト同士で分担できるので男性の仕事も他のエリアにくらべると楽かなーと思います。

アグリナジカン:20キロ(!)結構重いですね。一日どれくらい運ぶんですか?

こう:そうですね。多いところだと一日コンテナ120個くらいの出荷で、それを数人で分担するから……一人あたりが40−50個。僕らのところは100個ぐらいだったから一人30個ほど運んでました。量は農家さんや豊作具合によってだいぶ違うので、運ですね!

仕事帰りの風景。ワーカーだけでなく、農家さんの知り合いも一緒に働く。「孫のように接してくれます」


休みの頻度はまちまち

ことみ:休みはどれくらいありました?

こう:農家さんによってまちまちかなあ。雨が降ってもやるところもあるけど、「どこからが雨か」っていうのもまたそれぞれの農家さんのさじ加減次第。僕らのところは毎週日曜は休みで、雨判定も厳し目だったから休みが多かった。稼ぎたかったからそういうときは相談して高野地の別の農家さんでも働かせてもらったりして、結局4,5軒まわりました。

ことみ:交渉力がエグいです! 私のところは定期的な休日はなくて、雨が降ると休みでした。これも私はきつくないけど疲れがたまる人はたまるかもしれません。


高野地エリアと海沿いの違い

ことみ:実はこうさんと私、行っていた農家さんのエリアが違うんですよ。

こう:ことみちゃんは真穴だよね。僕は高野地(たかのじ)という山の上のエリアでした。

真穴にて。畑の上から見た数楽と海の景色。

ことみ:真穴とか川上とか、海沿いのエリアで働いてる人の方が多いから高野地がどんな感じか気になります。

こう:高野地は……山です。

アグリナジカン:(笑)

高野地の畑から海を見た景色。遠くに海が見える。

こう:海沿いとは景色が全然違って、標高400メートルくらいあるらしいです。仕事内容に大きな差はないんですけど、農家さんの数も海沿いに比べたら少ないので顔を覚えてもらえたり、集落全体との距離が近いと思います。


住居① 廃校を使ったシェアハウス

アグリナジカン:住む場所はどうでしたか?

こう:高野地で働くバイトは基本、廃校を使った「シェアハウス長谷」っていう寮に住むんですけど、ここが独特でおもしろいです。僕は寮での生活が楽しくて4年通ったみたいなところあります。

アグリナジカン:廃校を使った宿泊施設は海の近くにもありますが、高野地はまた違った感じですね。

こう:人との距離が近いですね。間取り的に大部屋を棚で区切った寝室と談話室しかなくて話すか寝るかの二択って感じで。

談話室。「この円卓で卓球をしました! 8人でやったんだけどあれはむずかった……」

こう:僕はずっと談話室でお酒飲んで誰かと話してました。ひたすら喋る人がいる一方でパキッと寝る人もいて「それもいいよね」っていう自由な空気があるのもよかったです。


住居② 農家さん所有のシェアハウス

アグリナジカン:ことみさんはどうでしたか?

ことみ:私は去年は農家さんのお家の離れの一軒家でした。2人暮らしで、1階がリビングで2階にそれぞれの部屋がありました。

ことみさんが泊まっていた農家さんの個室

こう:めっちゃきれい!

ことみ:離れにお風呂もキッチンもあってWi-Fiも通してくれてて、すごく快適でした。農家さんの母屋に泊まってるバイト仲間とか、散歩中に会ったほかの農家さんのバイトの人たちを誘って1階のこたつで夜わいわい話すのも楽しかったです。

アグリナジカン:いいですね。今年は別のところなんですか?

ことみ:はい。同じ農家さんなんですけど、今年は八幡浜中心部の方にアパートを借りてくれていて、去年のみかんバイトで知り合った女友達と二人で暮らしています。毎日喋ったり動画見たりSwitchしたりして楽しくやってます。

●ちょこっとメモ
八幡浜での住居について。農家さんごとに空き家や離れを活用したシェアハウスを準備している場合と、JAが運営する宿泊所「マンダリン」等を利用している場合があります。空き家などの場合は個室がある場合と相部屋(仕切あり)の場合に分かれます。応募時に確認の上、ご自身にあった環境を探してみてください。


八幡浜は「三食支給」って本当?

こう:八幡浜は三食食事がついてるのが楽だよね。

ことみ:ですよね。私のところは朝は希望者には用意してくれて、昼は農家さんのお母さんのお弁当、夜は仕出し弁当でした。お昼の手作り弁当がおいしすぎて、リピート理由の一つはそれです(笑)今年は離れたところに住んでるから、夜だけ一食550円もらって自炊か外食です。

ことみさんのある日のお弁当

こう:へー。離れてるとそんな感じになるんだ。僕らは逆で、朝が自分で用意する形で一日500円もらえて、昼と夜はお弁当。昼はお弁当屋さんの弁当なんだけど、おかず少なめだし2週間に一回は献立がかぶるから正直ちょっと飽きてた。

高野地で滞在中一日だけあるというお弁当がない晩。円卓を囲んで鍋

こう:夜は地域の給食センターからおかずが送られてきて、お米は自分たちで炊く形で、とんかつとほうれん草の胡麻和えとか。献立もいろいろでおいしかったなあ。

アグリナジカン:自炊だとスーパーも行きますか?

ことみ:はい。スーパーはもっぱら「エースワン」ですね。

こう:あ!「エースワン」いいよね。僕もお酒とつまみを買うのに週1−1.5回は行ってました。全体的に安くてお惣菜もおいしい。

ことみ:いいですよね! 外食のときは「味源」っていう台湾料理によく行きます。激安&大盛りでお持ち帰りも無料。五目ラーメンとかニラホルモン炒めとか中華丼とか、何食べてもおいしいです。

八幡浜名物「鯛めし」も人気

*詳しい情報は八幡浜エリア紹介記事も御覧ください*


日々の移動手段

アグリナジカン:ちなみに移動手段は二人とも車だったんですか?

こう:そうですね。高野地だとだいたい農家さんが車を貸してくれるので、それで同じバイト先の人と一緒に通勤します。休みの日にどこかに行くときも基本は農家さんの車を借りる形です。ただ、僕は毎年自分の車かバイクで八幡浜まで行ってたので、休日は自分のものを使うことが多かったです。

農家さんから支給される軽トラ。イメージです

ことみ:海沿いの農家さんも原付きや軽トラを貸してくれることが多いです。ただ、私も遊びに行くときはマイカーです!

アグリナジカン:貸してもらえるのはありがたいですね。八幡浜の道はどうですか? 海岸沿いって結構運転しづらそうなイメージがあるのですが……。

ことみ:そうなんですよ。道が狭くて基本一車線なので移動は大変です。運転慣れてない人は最初ちょっと勇気いるかもしれません。


休みの日の過ごし方

アグリナジカン:休みの日はどんなところに遊びに行っていたんですか?

ことみ:最近だと、去年一緒だったアルバイト仲間の女性と一緒にランチしたり、あとは「道の駅めぐり」もしました! 一日で4つ、5つくらいまわって。宇和島の「日吉夢産地」っていう道の駅の鬼の銅像が女なんですけど、やけにセクシーでうけました。

こう:僕は近場だと「大正湯」。八幡浜で人気の銭湯でたぶん週一以上行ってました。ちっちゃいサウナが好きだったなあ。あとは八幡浜駅近くの「みなと湯」。伊方の方にある「亀ヶ池温泉」もいいですよ。

文化庁のロケ地マップにも登録されている大正湯。宿泊も可能

ことみ:「大正湯」は私も好きです。お風呂の壁のみかん畑の絵もいい感じで。あと「八幡浜大島」もよかったです。八幡浜からフェリーで20分くらいで行ける島で景色がいいです。

夕暮れどきに釣り。八幡浜は道沿いで釣りをしている人が多いです

こう:松山の方に行ってる人もわりといましたね。ちょっと頑張れば高知の方までも行けます。僕は片道2−3時間かけて高知の黒潮町までうどん食べに行ったりしてました。


どれくらい稼げるの?

アグリナジカン:バイトをする人が働く前に気になるのが「どれくらい稼げるか」だと思います。もしできたら教えていただけますか……?

こう:たしか11月の1ヶ月で24〜25万円くらい稼げました。12月はいつまで仕事があるかによります。だいたいクリスマスすぎくらいまではあるんですけど、一昨年は終わりが12月10日でびっくりしました。

アグリナジカン:10日で終わりはたしかにちょっと早いですね。

こう:あと収穫は運搬よりも時給が低いことが多いのと、どれくらい残業させてもらえるかでも給料は前後すると思います。僕の場合は毎日2時間残業があったりしたので、少し多めかもしれません。

ことみ:私は八幡浜の金額は覚えてなくて、ただ実は去年、一年間農業バイトだけして貯めたお金でヨーロッパに半年滞在してたんです。だからそのくらいは稼げると思います。

アグリナジカン:すごいですね! 何カ国くらいまわったんですか?

スウェーデンのゴッドランド。憧れていた『魔女の宅急便』モデルの街

ことみ:全部で9カ国まわりました。北欧、ドイツ、イギリス、イタリアなどなど……飛行機代も込みの金額です。


農業バイトを続ける理由

アグリナジカン:色々ありがとうございます。最後にこれから農業バイトをしようか悩んでいる人に向けて、二人が思う「農業バイトの楽しさ」を教えてください。

ことみ:やっぱり人との出会いですね。私長野に移住する予定なのですが、それも去年のみかんバイトで会った人から農家さんを紹介されたのがきっかけだったり、バイトする中でできた友達と「将来一緒にカフェを開こう」って話してたりとか……。

アグリナジカン:本当にいろんな出会いがあったんですね。

ことみ:もともとは海外に行くために日本をまわってたんですけど、半年ヨーロッパに行ったらなんかさみしくて。農業バイトした1年間で「困ったらいつでも来ていいよ」って言ってくれる人にたくさん出会って、各県に家ができたみたいです。日本にいたら誰かしら助けてくれるなって思えるようになりました。

こう:僕も同じですね。人がおもしろい。とにかくいろんな人がいて、リピートしたらそこで毎年会う人がいたりして。もし悩んでいる人がいたらとにかくまず一度やってみてほしいです。

ことみ:そうですね。お金がかかることでもないし、短いところだったら1ヶ月から仕事もあるし、「とりあえず一回やってみたら?」って言います。やってみて自分に合うか合わないかをたしかめてみてほしいです。

アグリナジカン:ことみさん、こうさん今日はお忙しい中ありがとうございました!

*アグリナジカンでは、初めて農業バイトをされる方のサポートも積極的に行っています。まずは一度お話を聞かせてください*

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